『ブログ 社員教育講師』

皆さんこんにちは!『寺子屋ラッキー』と申します。職場生活で多少なりともお役に立つと思える事柄を、人を中心に申し上げていきます。よろしければお付き合いください。

『管理者教育』 (142) 「オンライン職場でも OJTは管理者の責務」 (その2)

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 管理者が部下の能力(知識・技術・技能・態度)を開発し高めていくことは、職場マネジメントにおける本来業務です。人事研修所管箇所に委ねることはできません。また、プレイングマネジャーとしての忙しさも理由にはならないでしょう。
 仮に職場実態からみて要員的にも職務交代・職務拡大ができないのであれば、やはり部下と直接話し合い自己向上の努力をするよう〝刺激〟を与えてみてはいかがでしょう。


 「君が仕事熱心なのは認めるよ。現に私も助かっている。ただネ、君もいつかは一人でも部下をもつ立場になるだろう。変化の激しい時代だ。君の将来を考えた場合、どのような仕事を担当しても大丈夫なように今からでも勉強してはどうだろう。そうは言ってもあれもこれもと一度に学習するのは、仕事を抱えながらでは実際にはできるものではない。
 そこでだ。君の弱点ともいえる企画書を含めたビジネス文書作成について基本から勉強し直してみてはどうだろう? やり方がわからなければ私なりにアドバイスさせてもらうし必要な資料も提供するよ」と、部下に考えさせ〝動機づけ〟を図るのも一つの方法である。


 その結果部下が、「そうだよナー。確かに課長の言われるとおりだ。今はいいけどこのまま毎日慣れた仕事の繰り返しで過ごしていちゃ、仕事力が伸びるわけがないよナ。少しは勉強してみるか」と理解・納得し、自己反省しその気になって「自己啓発」に取り組むようになれば、管理者の刺激が適切であり期待する行動が部下の中に惹き起こされたことになります。
 ちなみにこれをコミュニケーションの方法としての「話し方」の面からみれば、「説得」の目的を達成したわけですから、この管理者は上手な話し手といえましょう。


 とにかく管理者は 担当者の延長であってはいけません。今一度『人材育成』の観点から部下指導の〝メリット〟を考え、早くあなたの「代理代行者」(後継者)を育成することをお奨めします。人生の先輩として「山本五十六大将(元帥)」の名言(再掲)を参考にして、部下の将来性を見据えて〝パートナー〟として遇すれば、不思議と部下はついてくるものです。
  
 これは組織全体・部下本人のためだけでなく、結果的には管理者自身が「楽」になることです。そうすれば管理者本来の「日常の業務管理」・「方針管理」・「仕事の改善」(創造的活動)に専念し、更にはあなたも上司の「代理代行」のために時間が割けます。これは、あなたが昇進した時、必ずあなたにとってもプラスになるはずです。  


 ただ、昔から『親の心子知らず』と言います。部下の中には「仕事はそれなりにこなしているじゃないですか。私は定年後やりたいこともあるし、大きなお世話ですね。子供じゃあるまいし、俺(あたし)の将来は自分でチャント考えていますよ」と、ハラの中で反発する部下がいないとも限りません。
 このようにいくら管理者が部下指導育成に熱心ではあっても、部下との『人間関係』がしっくりいっていないとすれば、管理者の<熱意・誠意>が部下には伝わらず空回りすることもあるでしょう。


 管理者が「どうもうちの連中は頼りにならん。俺(あたし)がいるからこそなんとか仕事が回っているんだ」とラッパを吹いて孤軍奮闘しているのは自慢になりません。チームとしての総合力を高め組織としての『後継者育成』が肝要なことです。


 だからといって部下の指導育成は、十把(じっぱ)一絡げにはできません。しかも一朝一夕にはいかず、それぞれの部下に合わせたテマ・ヒマのかかる根気のいる仕事です。時にはもどかしさを感じることさえあるものです。口で言うほど簡単なことではありません。


 あなたがプロ管理者となるためには、部下の指導育成面に対しても「問題意識」を持ち、OJTの面で期待する成果を上げることができれば部下からは感謝され『信頼関係』が深まり、仕事の出来栄えにも違いが出てくることでしょう。
  
 ただし、企業は学校ではありません。『競争社会』です。部下の指導育成面で<不平等の平等>があることはいたしかたのないことです。お付き合い頂きありがとうございました。



【再掲】:山本五十六大将(元帥)の言葉(部下指導の要諦)
     『やって見せ、言って聞かせてさせてみて、ほめてやらねば人は動かじ』


・やって見せ・・・・・・・・・・示範・手本・率先垂範(見習わせる)
・言って・・・・・・・・・・・・・・やさしく説明(理論、理屈を教える)
・聞かせて・・・・・・・・・・・・十分に納得(繰り返し説明する)
・させてみて・・・・・・・・・・実際の体験(演習する)
・ほめてやらねば・・・・・・評価・動機付け(アクションを起こす)
・人は動かじ・・・・・・・・・・人間の本性(心理)



❒ 管理者教育講師『人材教育研究所』 (「過去と未来は『鉄の扉』。変えられる未来に向かって挑戦しよう ‼」)