『ブログ 社員教育講師』

皆さんこんにちは!『寺子屋ラッキー』と申します。職場生活で多少なりともお役に立つと思える事柄を、人を中心に申し上げていきます。よろしければお付き合いください。

『管理者教育』 (143) 「先輩諸氏が築いた御社の 伝統の灯を 部下・後輩に引き継ごう」

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 今晩は。夕餉の食卓はお済ですか。明日は終戦記念日ですが、ご健在の昭和一世を含めたご先祖を幕末まで仮に4代遡ると何人いらしゃるかご存知ですか? その内いずれかが欠けたならば現在のあなたは存在しません。


 さて、昔から『子を持って初めて知る親の恩 さりとて墓に布団を着せられず』と言います。息子・娘は、結婚して子供を持ち育ててみて、初めて親の気持ち・苦労が分かるというものです。決めつけるようですが、これは部下にしてもしかりです。 
 ただ、部下は上司の言動をそれはそれは良く観察しているものです。また、上司の影響を良くも悪くも受けるものです。つまらない「癖(くせ)」まで影響を受けていることもあります。


 そうであるならば、管理者は部下のために『管理能力』を意図的に付与してみてはいかがなものでしょう。これは、部下のためだけでなく、結果的には管理者ご自身にとってもプラスになると考えます。以下4点を申し上げます。


 1.「君はどう考えるかな?」と質問し、<判断力>を養成することです。それには管
   理者がなすべき仕事の中からさして急を要しない懸案事項を選び出し、それを課題
   として部下に与え、実行案を立てさせてみることです。
    そのためには、普段は情報提供を受ける立場の管理者が逆に部下へこれに伴う情報
   提供を出し惜しみせずにしなければなりません。そうでないと、部下は戸惑うばかり
   です。また一々聞かれていたのでは、管理者も仕事にならないでしょう。


 2.次に解決策を考えさせることです。それには、『事実』を掴ませ、<分析力>を高め
  させることです。


 3.納期との関係上、部下に任せていたのでは間に合わず、どうしても管理者が処理しな
  ければならないという業務もあるでしょう。そうであるならば、『経験こそ我が師な
  り』と言います。
   職場には、「稟議書(りんぎしょ)」または「伺い書」の類があると思います。企業
  によってはこれを仮に管理者が協議箇所を含めて持ち回っているとしたら、たまには起
  案書作成者の部下を部長以上、できればトップのところまで行かせて起案説明の上決済
  を頂き「自信」を付けさせてみてはいかがでしょう。


   ただ、これまでそのような〝職場慣行〟が無いとしたら事前に部長には部下へ任せた
  旨を予めことわり、部下への「権限」の内容を明確にしておく必要があります。そう
  でないと、管理者が〝逃げている〟と思われたのでは、間尺に合いません。
   また、この場合も〝ヤリッパナシ〟は好ましくありません。部下から「報告」を受け
  ると共に、後で当該部下についての部長の評価・感想を聞く配慮が必要です。そうする
  ことで『自律性』ある社員育成が可能になります。


 4.『教えることは学ぶこと』とも言います。業務が高度・専門化しており、前にも申し
  た通り「逆OJT」があっても不思議ではない現在、管理者が全ての業務指導すること
  は〝あるべき姿〟であり、多忙な管理者に求めることは実際には無理とも思えます。
   従って、いわゆる〝できる部下〟には一般社員を指導させる職場勉強会などの機会
  を作ることも良いでしょう。これにより、教えることの難しさと『人間』について勉強
  させることです。


 とにかく「職務権限規程」等を含むあなたの〝職場実態〟に合わせて、部下には『管理能
力』の付与と〝気概〟を持たせることを考えてみていただきたいと思います。その結果『後継者』が育てば、管理者不在時の代行者が育つだけでなく、管理者も上級管理者から評価され、管理者自身も安心して次のポストへ転勤できるものと考えます。現実はそうは上手くいかず理想でしょうか?


 それでも先輩諸氏が築いた御社の『伝統の灯』を人材不足で絶やすなどという事が無いよう、これからの企業はどこでも、全社的に『後継者』を育成する<職場風土形成>が殊のほか肝要なことだと考えます。


 「部下指導・育成」面での管理者の努力は、当該部下本人には〝しごかれた〟という印象だけが残るかもしれません。しかし、『仕事が人を育てる』ことには間違いありません。
 やがて当該部下が自己啓発の相乗効果も相まって管理者となり、当時仕えた上司の気持ちが理解でき感謝する頃には、仕えた上司は定年退職していたという話はよく聞くことです。


 目前の業績が問われるご時世、それだけに「職場マネジメント」における人材育成面での管理者の努力が、部下の潜在能力を引き出し<開花>させることは、在任中には〝一朝一夕〟でいかず時間がかかるものです。
 テレワークの時代、部下と直接接触する機会と場が減っている現在、ベテラン管理者であるあなた(貴方・貴女)のお考えはいかがでしょう?


  では、コロナ禍で帰省を兼ねた墓参が叶わないご時世、仏壇は無くともご先祖に感謝し供養する気持ちだけは忘れないようにしたいものです。お越し頂きありがとうございました。



❒ 管理者教育講師『人材教育研究所』 (「過去と未来は『鉄の扉』。変えられる未来に向かって挑戦しよう ‼」)