『ブログ 社員教育講師』

皆さんこんにちは!『寺子屋ラッキー』と申します。職場生活で多少なりともお役に立つと思える事柄を、人を中心に申し上げていきます。よろしければお付き合いください。

『話し方教育』 (88) 「業務上の話し方は 上司先輩の固有技術を見定め 大いに習得しよう」

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 こんにちは。


 ある産業心理学者の調査によりますと、トップマネジメントは活動時間の80%を話し方に費やしているということです。また管理者になると、経営方針・部門方針を職場の末端まで徹底させるだけでなく、管理技法としての話し方のスキルも必要となってきます。それだけ、話し方がビジネス活動に大きな影響を与えているといえます。


 ときに、職場で業務上の話をする目的は、突き詰めればその組織の<目的・目標>を達成するためのものです。そのために管理監督者は部下に、話そうとする内容をよく分からせ、できれば良い感じを与え、モラールアップを図り『行動』をとらせることが肝要となります。
 この観点に立つと、「上手な話し方」とは、分かりやすく感じの良い話しの仕方ともいえます。


 言葉というものは自分の意思や考えなどを相手に正確に伝えるための道具です。これからのビジネスパーソンは、<必要なことを、必要なときに、必要だけ>話せることは大切なことです。
 しかし、単に言葉だけを問題にしていたのでは不十分です。心も身体も全てを使って話をするという「態度」が必要です。つまり、『全身全霊』で話すということです。私はそのための条件として、<言葉・声・態度>の三つを上手く使うことを奨めています。 


 第一は、分かりにくい言葉や感じのよくない否定的な言葉はできるだけ避け、よく分かり良い感じをもたせるような言葉を選ぶことです。同じ言葉を使っても言い方によっては、全く反対の意味になったりすることもあります。


 たとえば、〝利口〟という言葉は、相手の頭の良さを評価するときに使います。
 しかし仮にあなたが相手から、「フン、あなたはお利口さんですよ。お利口ですとも」と言われたらどんな気持ちがしますか? 
 これは、言葉は肯定的であっても気持ちのあり方が否定的なため〝皮肉〟となり、相手に不快感を与えることになるのです。気をつけたいものです。


 第二の声については、生来のガラガラ声を美声にすることは、声帯という生理的な問題もあり、訓練したからといって容易に変わるとは思えません。
 しかし、声には話し手の感情が表れますから、営業マンだけのことではなく、その人の〝セールスポイント〟ともいえ、軽視はできません。
 そのためには、イントネーション(抑揚)、プロミネンス(強調)、インターバル(間)について気配りすることも大事なことです。


 第三の態度で問題になるのは<表情・姿勢、動作・服装>などです。『目は口ほどに物を言う』といわれるのもその一例です。
 挨拶一つにしても、程よい角度で笑顔を浮かべてされるのと、仏頂面でお義理の挨拶をされるのとでは感じが違うものです。だらしのない服装、不自然な姿勢で話をされると、いくらいい言葉を使い、声の使い方がよくてもなんとなくチグハグな感じを受けるものです。慇懃無礼な態度も同じです。
 ちなみに、ある大脳生理学の研究者によりますと相手の深層心理は、〝左顔(目)〟に出るともいっています。これは、神経交差による右脳(感情脳)の表れと教示頂きました。


 以上のように考えると、話は単に言葉だけの問題ではないということがご理解いただけると思います。そのため「言葉は話の全てではない」ということで、これまで事例を挙げてお話してきた次第です。人と話をする場合には、できればこのようなことにも意識を向け「話の効果」を上げるようにしたいものです。


 なお、仮にあなたがご自身の業務上での「実践的話し方」に問題意識をもったならば、書籍・ネットからは学べない上司・先輩を〝生きた教材〟として観察し「固有技術・技能」を見定め習得し、ご自分なりにアレンジするよう大いに研究なさることをお奨めします。


 コロナ禍の収束が依然見えない営業活動のままならないご時世なのはいずこも同じと考えます。『話は人なり』とも言います。考え考え知恵を出し、あなたの<個性>を生かした話し能力を高め業務面での実績を上げてほしいと思います。どうか頑張ってください。ありがとうございました。



❒ 話し方教育講師『人材教育研究所』 (「過去と未来は『鉄の扉』。変えられる未来に向かって挑戦しよう ‼」)