『社員研修』 (271) 「挨拶は 礼儀・作法か?」
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寺子屋ラッキー
こんにちは。テレビの医療番組の大学病院の「教授総回診」では主治医の講師を含む医局の医師およ入院病棟師長ほか看護師などの関係者をゾロゾロ引き連れた場面が採り上げられることがあります。長い廊下をすれ違う看護師・検査技師・事務部門職員は、立ち止まって軽く会釈しても教授が会釈を返す場面を見たことがありません。入院患者・家族には関係ないことですが、実際にはどうなのでしょう?
さて、昔から『親しき仲にも礼儀あり』と言います。3組に一組が離婚するネット社会の現在と違い、家庭での「躾教育」が出来ていた当時の一例として、国民的作家吉川英治氏の子供さんへの挨拶の仕方・受け方のエピソードを紹介したことがあります。
その頃の子供は母親から「お客様にはチャント座ってご挨拶しなさい。いつもお母さんが言っているでしょう!」と、注意されたのは決して珍しい話ではなかった。
いつでしたかテレビドラマの中で年始の挨拶状(年賀状)を書く場面で「佐藤への年賀状か? アイツからは挨拶がないからいいんだよ! 気を使わなくても」というくだりがあった。果たして挨拶の意義は、<礼儀・作法>だけでしょうか ?
広辞苑によれば、挨拶の「挨」は心を押し開く、「拶」は迫ると記載されていることをご存知の方は多いでしょう。
つまり、本来は「一方行為」であり、「見返り」を期待すべきものではありません。とは言っても実際には「無視」されることを気にするものです。違いますかネ?
あなたが生徒・学生時代だった頃、クラスメイトと人間関係が悪くなると挨拶をしなかったと思います。そのため、挨拶をされなくても気にしないタチ(性質)かもしれません。
お住まいの隣近所とは、
「あなたはそうおっしゃるけど私の身にもなってよ。あちらさんが挨拶してこないのに何であたしから挨拶しなきゃいけないの? とんでもハップンだわ」
と、家庭ではこれでもいいでしょう。
しかし、あなたの職場の相手(上司・部下・先輩・後輩)は、あなたが気分屋でもあるいは失恋して蒸発したいほど気分が落ち込んでいたとしても関係ありません。あなたからの〝欲を言えば〟気持ちの良い挨拶がないと朝から大変気になるものです。というより気分の悪さが職場に感染するのです。
反面、出勤途上で同じ会社の人から先に挨拶されて「なんでアイツは俺(アタシ)に挨拶するんだ。馴れ馴れしい奴だ ‼」と、怒る人はいるでしょうか? たとえ見知らぬ相手から挨拶されたとして、訝(いぶか)しく思うことはあっても不愉快になる人はいないはずです。
ただし、挨拶された方は「 アリャ誰だったかな?」と、その日床についても寝る迄ズ~ッと気になることはあるでしょう。
かつてある著名な歴史小説家が通りすがりの若い女性にお辞儀されたので、「イヤ~しばらく!」と片手を軽く上げて挨拶を返した。すれ違ってからよくよく考えてみたらご自宅の〝お手伝いさん〟だったことを思い出した。そのため素面(しらふ)では家へ戻れず、しこたま飲んで帰宅したという話を聞いたことがあります。
そこで結論です。挨拶は礼儀・作法ではあるが、これは<従属的>なものです。ビジネスパーソンとして『自己実現』を図るには『挨拶の働き』を雇用形態を問わず簡単に考えてはいけないように思えます。人間関係論の視点からさらに考えてみたいと思います。
では、退社時刻の早い会社では1時間を切りました。今日もお疲れ様でした。お読みいただきありがとうございました。

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