『管理者研修』 (227) 「命令(指示)は 緊急度と部下育成の観点から 使い分けよう」
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寺子屋ラッキー
こんにちは。
さて、組織としてのビジネス活動は、「命令 ⇄ 報告」という形で運営されています。社規・社則あるいはコンプライアンスなどに反しない限り、上司の命令に部下は労働契約上従わなければなりません。
かつて社内の<命令・指示>の与え方がが問題視され、全社的に管理職全員を対象に研修することにした名門大手電機メーカーの話を新聞が報じていたことがありました。
あなたの会社では、「命令」という言葉が日常職場で一般的なのでしょうか。どちらかというと、「指示」の方が多いのではないかと思います。この違いは何でしょう?
上司の命令にはリーダーとしての〝意図〟と部下の〝任務〟が含まれます。その点、指示は任務だけを示したものですが、若干なりとも部下が意見をさしはさむ余地があり、強制の度合いに違いがあると考えます。
したがって、上司から「業務命令だ !!」と言われたら、納得できない命令でも原則部下は従わなければなりません。従わないと「業務命令違反」になります。これが組織というものです。そうでないと、組織は〝瓦解〟します。
そうは言っても世間の管理者の中には、部下に仕事をさせるときの命令指示を権力の象徴か、管理者の特権でもあるかのような錯覚をしている人がいるようです。命令とはそういうものではありません。これは管理者が望んでいるように仕事を進めるために出されるものです。管理者は命令指示を与える場合、常にそのことを心得ておかなければならないと思います。
そのためには、命令・指示を与える時は<目的>を明示し、仕事を進めるのに必要な事柄を〝漏れなくかつ間違いなく〟部下に伝える必要があります。「分かっているだろう」、「分からせたつもり」といった<だろう判断・つもり安心>の自己中心的な考え方には気を付ける必要があります。
ですから命令指示をよく理解させるためには、部下にそのことを「質問」するあるいはさせたり、「復唱」させたりするなどしての〝相互確認〟も必要となります。
そのほか内容によっては、文書にした方がよい場合と口頭で命令した方がいい場合があり、これらの区別も適切にすることです。
とにかく、それが口頭であれ文書であれ『コトバ』で正しく伝えることが肝要です。
閑話休題。グループメンバーおよび指示を与える特定部下の成熟度が低い場合あるいは緊急時以外でも常時「命令(指示)」だけで部下を服従させていると、部下は理解納得していない場合、最低限のことしかしないものです。「ゴチャゴチャ言わずにとにかく言われたことを期日までにやればいいんだヨ ‼」では部下は受身になりがちです。
従って、創意工夫して仕事の結果を良くしようというパートナーとしての積極的姿勢は期待できません。そのため仕事の〝出来栄え〟に違いがでてきます。
ですから「命令の与え方」は「部下の叱り方」と同じく事例を挙げて既述した次の五つのパターン
(1) 命令・指示型 👉 (2) 依頼型 👉 (3) 相談型 👉 (4) 暗示型 👉 (5) 募集型
を適宜使い分ける必要があると考えます。 ※ 右に行くほど強制の度合いが弱くなる.。
でもどなんでしょう? こうした「部下育成」を意図した命令の与え方は『血の通う人間』だからこそ出来ることであり、現時点ではAIには期待できません。それともSNSの忙(せわ)しないご時世を勘案すると大学でも教わらないことに頭を煩わせることは「余計な心配 大きなお世話」の範疇に入るのでしょうか?
とにかく『平常時』の実施に当たっては、職制上の権限に基づく頭から押さえつけるような「命令」によるやり方と、理解・納得の上実施させる「説得」によるやり方(頭・心・行<ズシンギョウ>・・・・当方の造語)とがあります。普通は前者ですが、時間があればそれぞれのメリット・デメリットを考えてみてはいかがでしょう。
管理監督者として業績向上のためには部下の自発性を促した方が、『ヤル気』を引き出す糸口がつかめるように思えます。
では、カラッとした気持ちの良い陽気です。昼休みをお楽しみください。お越しいただきありがとうございました。
❒ 管理者研修講師『人材教育研究所』 (「部下をパートナーとして 職場目標を達成
しよう ‼」)
【注】記事にねじれが生じたため、ここでのタイトルを差し替えました。(5/25)20時58分
現在.
#マネジメント
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