『社員研修』 (216) 「規程・規則・細則類は 原則と許容範囲を知り 権限内での運用を」
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寺子屋ラッキー
こんにちは。当ブログでは、昨年からタイトル≒テーマとしています。しかし、テーマの表現は適当にではなくその都度ある基準をもって書き分けています。そのため今回と同じく「舌足らず」な表現になることもあります。理由は「人前での話」をイメージしているからです。
書き出しの呼びかけ挨拶コトバに「皆さん」を付けていないのと同じです。ブログ開設当初から16年間変わりません。いずれ「話し方研修」の中でお話します。
さて、ビジネス文書(章)における敬称表記について学者間で長らく「殿・様」論争があったもののこれについては決着が付いたようです。
日常会話では「やっと娘が片付いてね」と父親が言うのを耳にすることがあります。部屋の整理ではないが物を片付ける印象を受けます。が、用語としての使い方には間違いありません。問題はこの「片付く」に振り仮名を振るとしたら、「かたずく、かたづく」のどちらでしょう?
過日ニュース〝映像〟の中で「遂行」(ついこう)という言葉を耳にしました。そこで、中学校レベルの問題を出します。次の漢字を読んでみて下さい。
「施行・重複・早急・発足(開始の意)・代替(エネルギー)・遂行」
簡単ですよネ。左から順に「せこう・じゅうふく・そうきゅう・はっそく・だいがえ・ついこう」と仮に読んだ方は、正式には「全て間違い」です。以前の都立職業訓練校の通学希望者に課せられた一次筆記試験(国語)ではおそらく不合格になるでしょう。
正解は、「しこう・ちょうふく・さっきゅう・ほっそく・だいたい・すいこう」です。
この根拠は、『内閣告示』による「常用漢字表」「現代仮名遣い」「送り仮名の付け方」によるものであり、NHKを始めとする放送局あるいは新聞社ではこれを遵守しています。そのため新聞社では、この「遵守」という言葉を使わず「順守」を使っていたと記憶しています。
ただ、内閣告示は「一般的な基準」を示したに過ぎません。ある語を他の同音同義語に書き換えることも認められています、
一例を挙げれば、「相性」は「合性」でもなんら問題はありません。送り仮名にしても「原則」と「許容範囲」が認められています。
ですから、代替を慣用読みとして「だいがえ」と使う場合があるように、重複・早急・発足を「じゅうふく・そうきゅう・はっそく」と読んでも、遣い方によっては間違えとはいえないかもしれません。従って、「正式には全て間違い」という決め付け的表現は、言い過ぎとも思えます。
その点某内閣の発足(ほっそく)時、閣僚のお一人が挨拶の中で遂行を「ついこう」と口にしていた覚えがあります。聞き間違いでなければ言い間違いです。因みに一太郎は知りませんがワードに「ついこう」と打ち込んでも「追行」と表示され〝遂行〟とは変換されません。
ただし、検索サイトに〝ついこう〟をキーワードに検索すると、キチンとフリガナを付した「遂行」と併せて読み間違えを指摘したメタタグタイトルおよび説明文が表示されます。
対外的ビジネス文書での表記は、送り仮名一つにしてもいろいろ迷い悩むことがあるものです。誤用以外は表記方法も原則どおりにはいかないものです。
ここで申し上げたかったことは、お客様からの相談内容を社内<規程・規則・細則・基準>の原則だけで押し通すだけなら新入社員でもできることかもしれません。そうではなく「規程解明議事録」も含めて〝許容範囲〟を知り、あなたに与えられた『権限内』での運用を〝できれば〟図りたいものです。これも<顧客サービス精神>表れの一環だと考えます。
なお、旧帝大系の事務系新卒者で「以上・以下・未満・以前・以降・以内・以外」などの使い分けを知らない人がいましたが、これは勉強不足の誹りを免れないでしょう。
以上縷々(るる)述べたことは、日常生活ではどうでもいいことであり、人間性を疑われる『教養』とは何ら関係ありません。ご覧頂きありがとうございました。
❒ 社員研修講師『人材教育研究所』 (「過去と未来は『鉄の扉』。変えられる未来に
向かって挑戦しよう ‼」)
#マネジメント
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