『話し方研修』 (279) 「検定(資格)試験に馴染みにくい 実践的上手な話し方」
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寺子屋ラッキー
こんにちは。あなたは日本全国に点在する<話し方教室>という言葉をその実際はともかくお聞きになったことがおありだと思います。世界的には永遠のロングセラー『人を動かす』の著者デール・カーネギの「話し方教室」がつとにつとに知られています。
では、話し方を体系的に組み立て社団法人として認可された日本の元祖「話し方教室」をご存じでしょうか?
主宰者は政界にも人脈のあった実力者でしたが、残念ながら当該法人は消滅し現存しません。元製薬会社の取締役歴任者の副所長をはじめとする企業派遣研修で知名度が高かった実力幹部講師が相次いで退所(?)したことが直接の要因のようだ。元幹部の一人であった講師の話では経営数値に明るい幹部がいなかったからだとも言っていた。おそらく話では決着がつかない、部外者には計り知れないお家の事情がいろいろあったのでしょう。
ネットで「話し方教室」をキーワードに書籍検索すると173件がヒットします。さらに『話し方』に拡げると一挙に1万件以上になります。それだけニーズが多いと言えます。
詳細に調べた訳ではありませんが関連書籍の多くが絶版となり再販されている本は限られてきます。無論のこと全ての書籍を入手し読破できる訳がありません。
仮に生成AI を活用して全ての書籍のエキスを抽出できたとすれば、会話・説明・説得・忠告・報告・感化といった「話しの目的・機能」についての知識、技術(技能)(?)の基本は出尽くしているようにも思えます。
タイトルを『話し方教室』に限定すると、個人的には言語学者金田一春彦先生の「話し方教室」が生きた教材として勉強になりました。入手可能な書籍の最後の著者略歴に日本の『話し方教室』の創始者と記載した方が3人おいでです。いずれの方も故人となっています。昭和時代の終焉と共に一時期の『話し方教室』ブームはネット時代到来が拍車をかけ去ったように思えます。
話し方には<原則・規則・条件>はあるが一方例外も多く、世間に通用する実技を含む公的資格試験の対象となるには未だ時間がかかりそうです。構造不況業種の一つである出版業界は営利事業であり慈善事業ではありません。SNSのご時世でもスピーチの仕方、発音発声をはじめとする話し方関連のCD・DVDを含む出版物数を見ても世間には広くニーズがあることが推測できます。
ある産業心理学者の調査によると、トップマネジメントは活動時間の80%を話し方に費やしているということです。またミドルマネジメントになると<経営方針・部門方針>を職場の末端まで徹底させるだけでなく、管理技法としての話し方のスキルも必要となってきます。それだけ話し方が<ビジネス活動>に大きな影響を与えているといえます。
職場で業務上の話をする目的は、突き詰めればその組織の「目的」および「目標」を職場の末端まで周知徹底させ、効率的・効果的マネジメント活動を行うためのものです。そのために管理監督者は部下に、話の内容をよく分からせ、できれば良い感じを与えてモラールアップを図り「行動」をとらせることが肝要となります。
この観点に立つと「上手な話し方」とは、うまい言葉で流暢に話すよりも、分かりやすく感じの良い話しの仕方ともいえます。
でも、どうなのでしょう? スマホ・SNSのご時世でも単にコトバだけを問題にしていたのでは不十分かもしれません。欲を言えば心も身体も全てを使って話をするという『態度』が必要です。つまり、ここぞという時には<全身全霊>で話すということが大切になってきます。
言葉を研究する学問に『一般意味論』があることは簡単に紹介したことがあります。言葉というものは自分の<意思・考え>などを相手に正確に伝えるための道具です。いつの時代もビジネスパーソンは<必要なことを 必要な時に 必要なだけ>話せるように〝できれば〟なりたいものです。
では、7月に入り令和6年も後半に入りました。気候不順に加えコロナが再発し出勤停止になる職場も出てきているようです。特に外勤職場の方は体調を崩さないよう「安全」にも配慮して仕事にお励み下さい。ありがとうございました。
❒ 話し方研修講師 『人材教育研究所』 (「過去と未来は『鉄の扉』。変えられる未来に
向かって挑戦しよう ‼」)
#マネジメント
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