< ブログ『社員教育講師』>

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『管理者研修』 (361) 「可愛い部下でも注意するのは難しい 文豪漱石に学ぶ 注意の仕方」

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寺子屋ラッキー


 こんにちは。今回のテーマはタイトル前半に記載した通りです。しかし、いくら「Simple is Best」でもこれで終わったのでは味も素っ気もありません。当ブログの趣旨にも反します。以下は大きく寄り道しますが、次回以降新しい視点から問題提起する「OJT」の前振りとしてお付き合いください。


 さて、大学は現在夏休みです。長期の休みは冬休み、春休みもあります。週末の土日は当然休みです。他には大学・学部によって一概には言えないもののその日になってからの「休講」が毎週のように掲示されていたものです。


 やっと学校にたどり着いてもこれではガッカリ。その足で図書館へ行って自学自習するなら後悔せず。名曲喫茶へ直行し居眠りの予習では自慢になりません。苦学生ではあっても結果は推して知るべし。
 「人生努力無くして成果なし」。神様は良くご覧になっています。未だ微笑んでくれません。


 そのようなことを勘案するとコロナ禍以降入社した新人社員は在学中、高い授業料を払ってオンライン授業を余儀なくされたことでしょう。そうした環境下での学生時代の思い出はどのようなものだったでしょう。果たして充実した学生生活を送れたのでしょうか?


 おそらく、名門大学の文化系ゼミナールでは選抜試験をパスしたゼミ員へ、理工系も同じく研究室入室試験を合格した研究員には教授・助教授が指導講師となり専門性に特化した授業を履修する機会を与えられたことでしょう。著名ゼミ研究室在籍者は就職条件として有利に有利に働くこともあるでしょう。後に指導講師の指弟子になり教授の「後継者」として講師から助教授・教授さらには学部長なられた先生もおいでです。


 「フランス2024オリンピック」で連想されるのは、ペギー葉山のヒット曲「学生時代」の歌詞に描かれるツタの絡まるチャペルのある青山学院大学キャンパスがイメージされる。その点ユニバーシティの上智大学、カレッジではあっても佳子様が通われた難関校ICUも同じと思えます。


 フランスといえばフランスのサスペンス映画「太陽がいっぱい」で甘いマスクの二枚目男優アランドロンに魅了された日本女性が数多くいた筈です。叔母もその一人でスクリーンミュージックに合わせ思い出す映画は今観ても名画の部類に入ると私は考えます。因みに


 高校生のころ世界で一番美しい言葉はフランス語だと聞いたことがあります。私は日本語だと信じていますが、外国語に疎いため残念ながら比較のしようがありません。フランス語は日本語と比較して語彙数が少なくても本音と建前を使い分ける言葉遣いは当然あるでしょう。因みに私が抑揚付きで覚えたフランス文は次の一つです。閑話休題。
  ☞   je t'aime bien s'il te plaît, épouse-moi


 目を日本に転じるとスマホ・SNSのご時世でも来客の帰宅を促す京都地方の方言「ブブ漬けどうどす」が未だに生きていることを知った。琵琶湖近くの比叡山の麓で生まれ育った中年女性から京都訛りを交えて教えていただいた。辞去するタイミングをはじめ何事も意識しないと分からないものです。
 例えばあなたは靴を履く時に左右どちらからですか。家を出る時はどちらの足からでしょう? おそらく上着を着る時と同じく無意識のうちに〝習慣化〟していることと思えます。


 マネジメントの仕方だけでなく、大勢を前にした話し方での態度(表情・姿勢・動作)に見られるようにどなたにも癖があります。殊に「悪癖」は、<注意>されなければ分からず、自覚できてもを治すとなると一朝一夕にはいきません。
 さらに言えば、𠮟責はおろか注意されれば不愉快千万。誰しも面白い訳がありません。これは夫婦間でも同様であり「油断大敵」です。


 それでもOJTでは、部下の『褒め方』と同じく忠告および注意並びに叱責を含む広義の『𠮟り方』についても避けずにその言い方はあるものの関心を持つことが肝要なことです。


 ときに、あなたのお宅には時刻の分かる類の物が幾つあるか訊かれて即答できますか? 
 時計だけでなく、パソコン右下に時刻表示されると同じくテレビ・電子レンジなどの家電製品にも表示される。そのためトイレだけでなく浴室内でも時刻は分かります。次の話は、家庭への掛け時計が普及し始めた明治時代中期以降のことです。


 『坊ちゃん』で夙(つと)に知られる、現在の都内文京区にあった夏目漱石の居宅へ知人が訪ねて来た。漱石が料理・酒だけでなくコトバでも歓待したこともあり話が弾み、居心地が良くなった客はついつい長居していた。
 その間、お手伝いさんは酒・料理を運び水菓子・茶も出し終えていた。スマホはおろかテレビ・ラジオも無かった当時のことである。いつご主人から呼ばれるか分からない。


 日本全体が貧しかった女工哀史で知られる当時、彼女は寒村から上京したが「ご主人(雇用主)」に恵まれた。三食付きの部屋付きで、世間相場より高いお給金を毎月キチンと頂ける身である。与えられた部屋へ戻って休んだら罰が当たる。
 薄暗い台所で小さな卓袱台(ちゃぶだい)に両肘をついて居眠りを堪(こら)えていた。時折り楽しそうな笑い声が漏れ聞こえてきたが、話の内容より正直客が帰るのをひたすら待っていた。


 酒・料理だけでなく漱石との話にも〝満足〟した客がそろそろお暇(いとま)しようと腰を上げ、漱石に時間を聞いた。漱石が奥の部屋から「お~いお花! 今何時かな?」と大きな声でお手伝いさんに訊いた。今や遅しと待ち受けていた彼女は「ハ~イ もう12時で~す!」とこれまた大きな声で返事した。


 来客を送り出した後、漱石は直ぐにお手伝いさんを居間へ呼んだ。
「今日は遅くまでご苦労だった。だけどな、さっき私がお前に時間を訊いた時、『もう12時です』と言ったよな。あれではいけないね。お客さんには追い立てられるように聞こえ失礼なんだよ。せっかく料理でおもてなししてもお前の努力が無駄になる。
 ああいう場合はネ、『もう12時です』ではなく『未だ12時です』と言うもんだよ。若いが利口なお花のことだ。今後気を付けなさい。
 疲れただろう? さーッお風呂へ入って寝なさい。明日からも頼んだよ。遅くまでご苦労さん。お休み!」と、優しく教え諭したと思える話が残っている。


 注意の仕方に犬猫の躾(しつけ)を例えに出すのが相応しいとは思えない。しかし、その場その時を捉えタイミング良くお手伝いさんへ注意した漱石のやり方は、OJTの考え方に叶っているといえるでしょう。


 その一件後も何か気が付くと漱石はこまめに彼女が理解できるよう分かりやすく指導した。教えを受けたお手伝いさんは当時のことである。尋常小学校へ通ったことは全くなかった。それでも数年後お暇(いとま)を頂く時には高等女学校卒に負けないだけの『教養』が身に付き幸せな結婚生活を送ったという。 


 以上は、戦後間もない1949年上半期「第21回芥川賞」にノミネートされ、文豪太宰治(高校在籍当時に前を流れる玉川上水で入水自殺)と交友関係があったという国語教諭の恩師(ペンネーム「鈴木陽一」)からお聞きした話の「受け売り」で、いつもと同じく脚色した創作話です。(文責):寺子屋「ラッキー」


【注】: 歴史上の人物、スポーツ選手を含む著名人、作家などには「さん付け」を含む敬
               称不要、人前で付けるのは『敬語』の取り扱い上間違いです。(念のため)


 では、「パリ2024オリンピック」の余韻に浸る間を与えない台風中継の中をお越し頂きお礼申します。ライフライン保守に当たる方はお疲れ様です。安全に気を付けて勤務なさってください。ありがとうございました。
 


【参 考】(2024年05月18日 16時47分 投稿分)


     ☞ 『社員研修』 (217) 「『言われるうちが花』 注意・忠告の受け方」
 


❒ 管理者研修講師『人材教育研究所』   (「部下をパートナーとして 職場目標を達成
 しよう ‼」)
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