『話し方研修』 (308) 「マルハラは 通用しない ビジネス社会」
【リンク修正 加筆記事補充】
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寺子屋ラッキー
おはようございます。今日は朝から気持ちの良い陽気となりました。
さて、昨今は企業が取り組むべき<人権問題>としては『同和問題』より意識すべきは『ハラスメント問題』です。ただし社員教育ではあれもこれもではなく、50前後あるハラスメントはウエイトを付け重点指向し払拭を図っても良いように考えます。ここでは『話し方』の観点から再度申し上げます。
ときに、あなたは生徒のとき国語の教科書に掲載された小説家の「谷崎潤一郎」と「志賀直哉」の小説を読んでどちらがお好きですか?
好みの問題ではありますが、私は「志賀直哉」です。理由は、短文で構成されていて分かりやすいからです。それに対し「谷崎潤一郎」は、名文家ではありますが、どちらかというと長文です。次に挙げるのは、谷崎潤一郎の「春琴抄」の一節です。
「佐助は琴のやうな高価な楽器を買ふ金も・・・・・・・・・・聴いてゐたかを証するに足りる。」
途中は省いてありますが、これでワンセンテンスです。文字数は句読点を入れて166語です。これは、谷崎潤一郎のような大文豪なればこそ許されることですが、職場での話にはお勧めできません。理由は、文章は読み返しがきくが、話の場合は口から出た言葉は次々と泡のごとく消えてしまうからです。
しかし世間には、このような話し方・書き方をする人は決して珍しくはありません。いつでしたかマスコミの話題となった某氏の話も同じです。
「僕は・・・・・・ますし、アノー、・・・・・・僕にとって、・・・・・・いって、・・・・・・ませんし、・・・・・・思いますけど、・・・・・・筈ですし、僕自身、・・・・・・は、・・・・・・思いますよ」。
これで、ワンセンテンスです。句読点を入れて147語です。これは言葉をつなぐから長くなるのです。接続詞の部分では一旦切って改めて言葉を出し、一文を短くすれば分かりやすい話になるのです。
グローバル化の時代、英語が重視されているためか「句読点(くとうてん)」については、大卒出身者でもその使い分けを〝忘れている〟方もおいでです。そのため、読点だけの文章を読まされウンザリすることがあります。
ビジネス文書を含めた文章の書き方では、句読点の打ち間違いを「悪文」といいます。社内文書・社外文章を上司から承認を得る場合には添削されることでしょう。
同じく、職場の朝礼でも次のような話をする人がいます。
「・・・・・・が・・・・・・して、・・・・・・であり・・・・・・だから、・・・・・・なので・・・・・・けれど、・・・・・・」と、話が延々と続きます。
このようなしまらない話し方を「牛のヨダレ型」といい、聞いていて分かりにくくイライラしてきて疲れます。読点で切っても句点、つまり〝〇〟が無いためです。
これは「話」を整理せずに次々と言葉を出しているためでもあります。悪文と同じく話しが長くなると内容がねじれてきて、いつしか前後で脈絡が無くなります。そのため、聞いていて分からなくなります。
このような場合、話をしているご当人も分からなくなっていることが多いのです。その結果「以上まとまりの無い話をしまして・・・・・・」ということは、コロナ禍前には結婚披露宴でのスピーチでも見かけることでした。
職場の説明会・会議などでも、読点だけで句点の無い話し方をする人がいますが、やはりいけません。本人は得々として語っているのでしょうが、これは「クセ」です。このような話し方がクセになっている方は、意識して直すように心がけたいものです。
仮に、これが上司への口頭報告だとすると、「どうも松木の話はまとまりがないね。一体君は何が言いたいんだネ。結論を言いたまえ。結論を !!」と、多忙な上司はイライラしおそらく私に注意することでしょう。
だからといって極端に短く次々と話すと、これまた〝ブツ切れ〟になります。話す場合は長短織り交ぜる兼ね合いが難しいところです。
とにかく<接続詞・接続助詞>で延々と果てしなく話すことだけは避けたいものです。
「ビジネス文書の書き方」および「わかりやすい話し方」のテクニックを勉強しても急速に上達するとは思えません。しかし、朝礼などでスピーチする場合でも、このようなことをチョッと意識すれば、わかりやすい文書になるだけでなく聞きやすい話となります。また、説得力ある話ともなります。あとは話すときの<音律・態度>に気をつけることでしょう。
ただし、書く・話すいずれしても<言語明瞭・意味不明>では困りますが・・・・・。
したがって、ニュース報道で問題視される『ハラスメント(含む同和問題)』と異なり、誰が言い出し名付けたかは知らないが「マルハラ」はテレビで再三採り上げられるほどのニュース性がある話題とは思えず意図が分かりませんでした。
また、人は注意されないと許容されたと考える。職場は仲良しクラブでもなければ学校でもありません。叱り方には5段階あり、その言い方があることは「話し方」の観点から既に申した通りです。
ただ「はれ物に触る」ように<注意・叱責>しないのは部下が可愛いければ『OJT』を行う上で問題ありと考えます。
極論すれば管理者が職場マネジメント遂行上、「責任回避」とも思えます。産業心理学を含むマネジメント論が範疇の大学経営学部あるいは大学院では、OJTについてどのように指導しているかは存じません。管理監督候補者である貴方・貴女のお考えはいかがでしょう?
では、外勤の方は安全第一で現場へ出向いてください。ご覧いただきありがとうございました。
❒ 話し方研修講師『人材教育研究所』 (「過去と未来は『鉄の扉』。変えられる未来に
向かって挑戦しよう ‼」)
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