『話し方研修』 (312) 「話の巧拙の決め手は、<間>の生かし方にもある」
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寺子屋ラッキー
こんにちは。
さて、話し方には『原則はあっても原理はない』が当方の持論であり、前にも申し上げたことです。今回採り上げる『間の働き』については、あくまで<原則>です。
「間」というと、戦前戦後のラジオ放送『宮本武蔵』の朗読で全国津々浦々に知れ渡った徳川夢声氏がいる。「話術の神様」あるいは「間術の名人」とも評された。
『我以外皆師なり』。興味のある方は話の達人の〝話しぶり〟をネットで勉強してみるのも参考になると思います。
ただし、書籍は別として講演録ともなると残念ながら過去の人です。NHK・国会図書館以外では、ネットオークション市場に時折出品される音声シリーズ商品内の一部を除き入手不可でしょう。
ところで、NHKのニュースアナウンサーが1分間に話す文字の量は、350文字前後と聞いたか読んだことがあります。確かに聞きやすい速さなのですが、多忙なビジネス現場では〝モタツイタ〟感じを受けるかもしれません。
その点、かつてのベストセラー『窓際のトットちゃん』以来ファンになった現在テレビから流れている「徹子の部屋」の黒柳徹子氏は、若い頃「早口」で有名でした。では、早口ではいけないのでしょうか?
仮に、黒柳徹子氏の早口を矯正したらどうなるのでしょう。おそらく<個性・持ち味>は消えることでしょう。黒柳徹子氏の語尾は「です、ます」がはっきりとしており、「リズム感」があります。また、黒柳氏の声は最近はともかく、良く透る、響く声でもありました。
さらに言えば、話術の名人と言われた徳川夢声氏とは違う、<でも・マ・ちょっと・わりと・やっぱり・ほんとうに>をはじめとする一見せっかちとも思えるムダ言葉が『間(ま)』にもなっている。そのため、聞いていてよく分かる。
「徹子の部屋」でのゲストについては、日々事前勉強してから収録に臨んでいるのは番組の性格からして当然でしょう。しかし、ポイントをついた話の引き出し方〔質問の仕方・相づち・うなずき)は上手いものです。
同氏に対する評価は人によって当然わかれるとはいえさすがプロであり、ここに長寿番組の〝秘訣〟があるように思えます。
ネットコミュニケーションの現在でも、労務管理の基本は、「聞(聴)くこと」と言っても過言ではないでしょう。本・ネットでは学べない『聞き方』の生きた教材にしたいものです。
余談ですが、この黒柳さんでさえ、結婚式のテーブルスピーチでは、失言し失笑をかったことがあるとご本人が語っていました。
ときに、スマホで会話を交わしているご時世、『話は間術なり』と言っても理解できない方もおいででしょう。間(ま)というのは息が切れたからチョット一服というような単なる“息継ぎ〟ではありません。
例えば、二人のセールスマンが同じ標準的な販売技法・話法を使って、同じ商品を同じ条件で提供したとします。顧客側が<買う・買わない>と、そこに二つの違った結果が生じてくる要因は何でしょう?
その一つは、一方は〝間(ま)〟を活かし、一方は平板な一本調子で違った方法で語るからだということもあります。
<間>のない話は〝間抜け〟とも呼ばれ効果がないだけでなく、時には〝間違い〟を惹
き起こす。換言すれば、意識し緊張した沈黙です。話の流れを積極的に躍動させる「声なき声」とも言えます。
話の中に間を置くのは、それによって話しの意味をハッキリと相手に伝え、話の中身を強く印象付けるためです。イントネーションや間のない無表情な声で話す人は、仮面をかぶって話すのと同じとも言えます。
話が上手いか下手かの決め手は、<間>が生かされているかいないかにもあるとも言えます。ここで改めて大別すると、
第一が 相手に考えさせる間、
第二が 賛同を得る間、
第三が 期待を抱かせる間
の三つとなる。効果的な間の取り方は簡単そうでも余程意識しないとできるものではあ
りません。
では、SNSのご時世お金をかけずに習得する方法はあるか? ありますね。成功者もいます。当ブログでは5年前に<宿題>を入れて投稿しました。
江戸幕府が瓦解する2年前アメリカ第16代大統領に就任した努力の人<エイブラハム・リンカン(教科書表記)>を例に挙げ、『新聞』を教材として独自の話し方を体得したエピソードを紹介したことがあります。
ただ「実践なき知識はゼロ」です。「何もしないで昼寝して」ではいかにも虫が良すぎて責任を持てません。短時間でも日々実行すればの話しです。何事も『行動無くして効果なし』です。今回も御覧いただきありがとうございました。
❒ 社員研修講師『人材教育研究所』 (「過去と未来は『鉄の扉』。変えられる未来に
向かって挑戦しよう ‼」)
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