『ブログ 社員教育講師』

皆さんこんにちは!『寺子屋ラッキー』と申します。職場生活で多少なりともお役に立つと思える事柄を、人を中心に申し上げていきます。よろしければお付き合いください。

『管理者研修』 (225) 「ビジネスサイクルを 円滑に回す 調整の機能」

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寺子屋ラッキー


 おはようございます。昨今テレビニュースでは、国内外とも「調整」という言葉をよく見聞きします。日常のビジネス活動でも調整は欠かせません。


 ときに、管理者が部下に仕事をさせる時には、計画(P)指示(D)し更にチェック(C)改善(A)して業務のスパイラルアップを図る必要があります。
 たとえば、私生活に置き換えても限られた予算と時間の範囲内で個人(家族)旅行をより良いものにするにはおそらく同じステップを踏むことでしょう。


 管理のサイクルを円滑に回すにはその他にもしなければならないことがあります。それが仕事の調整です。
 では、調整とはどういう機能でしょうか?


 それは管理者の責任においてやるべき仕事を上手くやり遂げるために、ある特定の問題についてそれらの関係者と密接な「連絡」(会議・話し合い)をとり、仕事の〝折り合い〟を付けるということです。そうすることによって、その仕事は全体的に調和しバランスが保たれることになります。
 御社では、根回しという言葉を使っているかもしれません。「根回し」は事前調整のことであり、心情面のすり合わせをいいます。ここは「寺子屋」ですので、深くは触れません。詳細は書籍等で研究なさってください。


 調整の効果は利害・見解の対立からくる〝縄張り争い〟を無くすだけでなく他部門の人の「知恵」を借りることです。そのためには、悪い結果や問題(トラブル)が起こらないよう前もって適切な相手にタイミングよく行なうのが原則です。
 この調整は管理者が上級管理者に対して『上司補佐』の一つとして行うだけでなく、仕事を管理(PDCA)していく上で部下からも求められていることでもあります。


 仕事というものは、いうまでもなく他部門との色々な係わり合いがあります。自分の職場だけで処理できるものもありますが、他部門との関連性が深いものも数多くあるでしょう。そういう場合には当然調整、つまり仕事の〝折り合い〟をつける必要がどうしても生じてきます。


 業務が高度専門化している現在、組織がフラット化されているとはいえビジネス現場は「階級社会」です。仕事の性格によっては、部下の権限では調整できないものが当然あります。そのような場合には当該グループの責任者である管理者が調整に乗り出さなければ解決しません。
 しかし、管理者にとっての調整は多くの時間と日数を要することもあり、他のビジネス活動に影響を与えることから嫌う方もおいでのようです。


 ある管理者は、本来自己中心的な性格の持ち主です。物事の判断をする場合でも全て自分中心に考える自己本位の人です。チームリーダーとしての立場からみた場合でも、自分中心に考えるタイプでもあります。そのため「仕事の与え方」にしても独断的です。


 こうした管理者の中には、調整についてあまり関心をもっていない人もいます。決して自分から進んで調整に努力するということをしません。部下から何度もそのことを頼まれたり他の部門の関係者からの要請があったりした時だけ、渋々それに応じるという態度です。時には「逃げているのでは?」という印象を周囲に与えることもあります。


 ただ、こういう独善的な態度が続くとすれば、部下からは反感を持たれたり非協力的な態度をとられたりというケースも出てくるでしょう。また、職場にあれこれと失望感を引き起こすだけでなく他部門の人たちにも迷惑をかけトラブルを生じることもあります。またそれが全社的に見て色々な支障をきたす場合もあるでしょう。 
 とりわけ「部下」との調整が不足すると効率的・効果的マネジメント活動に支障をきたし、職場の「目標達成」にもより一層労力を要することもあるでしょう。


 「根回し」と「調整」は、その意味合いは厳密には違いますが、いずれもOJTと同じく『上司補佐』のリクワイアメントの一つであることには変りありません。こうしたことから管理者は根回し調整の役割をよく考え、上手く図るようにしたいものです。
 因みに、<根回し・調整>の効力で物事が本番を迎える前に「裏舞台」では既に決着していた生きた事例は、古今東西の歴史書を読めば学べると思えます。


 では、またお越しください。ありがとうございました。



❒ 管理者研修講師『人材教育研究所』 (「部下をパートナーとして 職場目標を達成

 しよう ‼」)

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『話し方研修』 (223) 「会話を交わして 昨日の敵が 今日の友」

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寺子屋ラッキー


 こんにちは。話には目的に応じて働きが替わります。目的を達成できない話は『上手な話し方』とは言えません。普段何気なく交わしている「会話」の目的を覚えておいでですか? 
 会話の目的は、日常の『人間関係』を円滑にすることです。会話は話し方の巧拙よりも、お互いに「共通の話題」で会話(快話・回話)とするのが好ましいあり方です。


 でも、どうなのでしょう? 実際には「日常会話」でのつまらないことで角突き合い、本来なら最も良い人間関係の〝はず〟の夫婦間でも、いつ<信頼関係>が崩壊しないとも限りません。ビジネス現場では〝何をか言わんや〟で「油断禁物」です。
 反面、虫が好かなかった相手と出張した折に同室となり、素面(しらふ)での会話を交わすことで誤解が解け、『昨日(きのう)の敵が今日の友』になることは決して珍しい話ではありません。


 その点、世間には人見知りの性格だけでなく人付き合いが煩わしく不得手とする人がいます。そのため周囲との折り合いが悪く孤立化することはどこでも見かけることであり格別視することではありません。
 あなたもご存知の明治時代の文豪二葉亭四迷の『浮雲』に登場する主人公「文三」も同じです。せっかく処遇が上がったのにもかかわらず上司と折り合いがつかずやがて職場に居づらくなり退職していく行(くだり)が印象に残っています。 


 余談はさておき仕事を進める場合、コミュニケーションの良し悪しで仕事の「成果」は変わってきます。情報過多のSNS社会だからこそ殊のほか大切なことです。
 風通しの良い職場とはノミュニケーションの有無でもなければ「仲良しクラブ」でもありません。


 職場では相手により適度な「車間距離」を取りつつも<話す・聞く>ことで『コミュニケーション』を図り、仕事をスムーズに行う必要があります。
 そうでなければ、企業・官公庁・団体などの組織内における<情報の共有>が図れず業務に支障を来さないとも限りません。情報過多のSNS社会だからこそ殊のほか大切なことです。


 テレワークから対面に戻った職場がある昨今、コロナ前と比べ人前でのスピーチする機会は社内外でも減っていることでしょう。しかし会話だけは煩わしく思っても交わすことでしょう。
 繰り返しになりますが、日常会話というものは休憩時間・時間外にメンバー同士で相手との共通の話題を切り出し、あとは上手な<質問・相づち>で会話を弾ませるのが〝理想〟です。このことは「商談」における『説得』を成功させるための地ならしとしても肝要なことです。


 では、今週もお疲れ様でした。今回もお読みいただき、ありがとうございました。



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『管理者研修』 (234) 「管理者が 自己啓発を進めるに当たっての 基本的考え方」

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寺子屋ラッキー

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 こんにちは。これまでに広義のOJTとしての部下への啓発援助についてはその考え方と方法についてお話しました。今回は管理者の立場に置き換え『自己啓発の進め方』について申し上げます。


 では、管理者ご本人はどのようにしたらいいのでしょう。仮にあなたが職制上の管理者という立場だとすると、どういう管理能力を身につけたらいいかということの『要求水準』は、どなたもお持ちだと思います。また、管理者に任命した経営者も、あなたに対する要求水準は当然お持ちと拝察します。この『要求水準』というものをどのように考えたらいいのでしょう。


 管理者が職場の中で占める位置はどんなものかと申しますと、先ずは部下を持っている。一般社員との間に監督的立場の者がいる。次に上級管理者がいてその上には経営者がいる。さらには管掌業務の専門家として他の管理者と相互に助け合っている、といったような性格があると思います。
 要するに、このような立場にある管理者の果たさなければならない「役割」(社会心理学用語)というものは、決して軽いものではありません。具体的問題点は、その一端を箇条書きで先月既述済みですので省略します。


 それでは、役割の内容にはどのようなものがあるのでしょうか?
 第一は、トップの「経営理念」を管理活動に正しく反映させるように絶えず努力をする。
 第二は、他の管理者との協調を保つようにする。スタッフ部門にいる管理者は、ラインの管理者に対して積極的に助言・助力をする。 
 第三は、それぞれの部下に対してその能力に応じた業務を割り当て達成させる。


 それだけでなく、部下にはその能力を高めるように刺激を与える。また能力の不足している部下に対しては、これを伸ばすように指導をする。そして部下が現状より効果的、効率的に仕事ができるよう指導・援助する。
 また、部下同士あるいは管理者と部下相互のコミュニケーション面での「より良い職場風土」を形成するよう配意する。


 これらの能力が管理者に求められる、言うなれば〝基本的〟な「管理能力」です。こうした能力を高めるためには、管理者は部下各人がどの程度の現有能力があるか、ということを正しく把握する必要があります。


 そのためには前回とは反対に、先ずは管理者が自己の指導能力、管理能力についての必要項目を書き出し管理者用「自己検討表」を作成します。次にはその中から必要性・重要性の観点から優先順位を付け5~6項目を抽出します。その上でご自身用にレーダーチャート化し定期的に<セルフチェック>なさることです。


 以上を踏まえてその現有能力をどの程度高めていくか、レベルアップを図るかという「要求水準」をご自身に課します。あとはそれらの項目をできるだけ早く実現するように努力していくという行為が管理者としての『自己啓発』になります。
 リッカートの「連結ピン理論」を持ち出すまでもなく、組織の要(かなめ)としての管理者は、合理化することなく積極的態度を堅持したいものです。


 なお、『自己啓発項目』は個人(生涯設計上)にとっての必要性と会社(組織)が求める必要性を総合勘案し、その「統合」を図ることで優先順位を付け計画・立案し実施するのが効率的・効果的なことです。
 このことは性別を問わず「サラリーマン」(ビジネスパーソン)がその限られた個人資源を有効活用(マネジメント)し、一度しかない人生を有意義に生きていくためにも肝要なことだと言えましょう。ありがとうございました。



❒ 管理者研修講師『人材教育研究所』 (「過去と未来は『鉄の扉』。変えられる未来に向かって挑戦しよう ‼」)


『話し方研修』 (220) 「蜜缶 金缶 酒の缶 人は褒め(認め)ねば働かん」(その2)

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寺子屋ラッキー

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 おはようございます。ここでのサブタイトルは、かつて流行(はや)った懐かしい「CMソング」が頭を過(よ)ぎったことでリズム感を生かし、若干手直しして付けたものです。以下「話し方研修(218)」に続けます。


 ときに職場では、管理者から「田中君はハッキリ言ってお客様との応対は苦手のようだが、パソコンテクニックを駆使してその都度目的に応じたデータ分析の処理能力の高さには感心している。おかげで私も安心していられるし、毎月部内会議に提出する資料でも鼻が高いよ。他課を合わせても君の右に出る者がいないのは事実だ。
 最近の新卒はスマホ操作は得意だが、技術系でもワード・エクセルといった実務パソコン操作になると不得手とする者は決して珍しくない。


 そこで相談だが、君のパソコン知識・技能を「初級程度」で課のメンバーに指導してもらえないだろうか。君の了解を得られれば、現在月1回行っている課内勉強会の講師をお願いしたいと思っている。
 いずれは君も部下を持つ立場になる。今のうちから人に教えることの難しさを勉強しておいて決してムダにならないと私は考える。係長からも君の業務負担ならないよう配慮すると賛同を得ている。前向きに検討して欲しい。いい返事を待っている。よろしく頼むよ!」と言われたことが<事実>に基づいていれば、困ることはあっても気分を害する人は少ないでしょう。


 第四は、最大級の褒め言葉を使わないこと。
 「そんなに言ったら嘘になる」といわれるように誇張された最大級の言葉を使うと、相手は馬鹿にされたような気がするものです。最大級の人間がざらにいるわけがない。かといって、平凡なことばかりいっても嫌われる。相手は、社交辞令としか受け取らない。気の利いた言い回し方を工夫することです。
 たとえば、お客様のお宅を訪問し「素晴らしいお庭ですね」というよりも、「しっとりとしていて、心が癒されるお庭です。川端康成の小説に出てくる雰囲気ですね」といった方がずーっと気が利いている。


 ロシアの文豪チエホフが、ゴーリキの作品を褒めた中に上手いことをいっている。
 「私はそれを書いたのが私でなかったことに、強い嫉妬を感じました」
 しかし、よほど褒め言葉に気をつけないと、人格者の意味で「あの人はいい人だ」と、こちらは褒めたつもりで使っても、「あの人はお人好しだ」と、受け取られないとも限らない。


 第五は、時には口でけなして心で褒めること。
 チョット高度な使い方になるが、直接には褒めないことです。前に「部下の叱り方」で申し上げた〝否定の肯定〟の応用です。


 たとえば、立て込んでいるラーメン屋でイライラした客が「オィ、何やってんだい。いつまで待たせんだよ。こっちは急いでんだ。俺はナ、ここのラーメンは高いけど旨いからこうしてわざわざ来てんだぞ」。これは、けなしているようで、実は褒めているのです。
 つまり、褒め言葉らしくない褒め言葉。ストレートに真正面からいかないで、相手の意表をつく新鮮な褒め言葉をあなたなりに研究なさって下さい。
 なお、職場で部下に忠告する場合に褒め言葉を併用する際は、部下の受け入れ態勢づくりの観点から「後褒め」より「先褒め」をお勧めします。


 とにかく、口先だけでなく人を「心から褒める」となると、中々もって難しい事です。<度量の広さ>というより<面子の問題>もあり、簡単にできることなら古今東西リーダーは誰も苦労しないものです。
 しかし部下指導・育成の観点から〝タイミング〟をとらえ部下の「モチベーションアップ」を図るには、身近にいる管理者でなければ部下個々人への適宜適切な『褒め言葉』は使えないように思えます。このことは子供のことを一番よく知っている親と同じく、部下の能力(知識・技術・技能・態度)を把握し人事評価の決定権者である管理者にも言えることです。 


 「部下を褒めて叱って育てよう」は言い古された言葉です。『働き方改革』が問われ行政改革の推進が実施されている現在、ここでのテーマをあなたはどのようにお考えになりますか? 
 では、二回に亘りお読み頂きありがとうございました。



❒ 話し方研修講師『人材教育研究所』 (「過去と未来は『鉄の扉』。変えられる未来に向かって挑戦しよう ‼」)


『社員研修』 (156) 「会議では 潜在司会者としての 役割(権利・義務)を果たそう」

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寺子屋ラッキー

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 おはようございます。まいどおおきに。


 さて、オンライン職場でも定例会議のほか各種会議が開催されていることでしょう。会議には議長、座長、司会者といったリーダーがいます。これを顕在司会者といいます。その点会議メンバーは潜在司会者といいます。会議を意義あるものにするため、特に一堂に会しての会議で発言するときは、TPOを勘案し次の五つを意識してみて下さい。


 先ずは、聞き手の反感を招かないこと。
 突如思いがけない提案をパット出し、聞き手にショックを与えて悦に入っている方がおいでですが、これでは参加メンバーの同意を得ることは難しいでしょう。聞き手の知っていることからあなたの提案を導入していった方が受け入れ易いものです。自分本位の知識や情報を自慢げに語ると、どんなに良い提案であっても他の人の反感を買うものです。


 第二は、提案を具体的に述べること。
 抽象論では、いたずらに議論の種をまくだけで、時間の浪費となります。よく会議が混乱するのは、抽象論のやりとりが多いからです。したがって、あきらかな「事実」を挙げる必要があります。その他、間違いのない統計数字を示すのも良いでしょう。
 事実や統計数字を示すことによってあなたの提案はハッキリと聞き手の頭に入っていく。その事実や統計数字があいまいであればあるほど、あなたの提案の価値は薄れていくものです。


 第三は、話しの焦点を絞って順序良く簡潔に述べること。
 同じことをクドクドと話さず、話しを枝葉末節へそらさない。そのためには主張点を明確に打ち出し、要領よく手短に話すことです。
 限られた会議時間の中では、発言時間が短いほどあなたは好意をもたれることでしょう。好意をもたれなければ、どんなに立派な提案もスンナリとは通らないように思えます。


 そこで、主張点をハッキリ先に述べ、あとからその理由を説明するという話しの順序を踏むことです。
「私の提案はこうです。その理由は二つあります。その第一は・・・・・・、第二は・・・・・・」といったふうに。


 第四は、スッキリと話しを組み立てること。
 提案理由をわかりやすく理解しやすくさせるため、説明する際は次のように話を組み立てるのが良いでしょう。 
 (1)どこに問題があるかを述べる。
 (2)改善する提案の狙いを述べる。
 (3)実際にできる具体策を述べる。
 こうした三段構えで説明すると話しはスッキリしてきます。


 最後は、タイミングを選ぶこと。
 他人の提案とにらみ合わせ、会議の進行にうまく合わせて提案を持ち出すことです。何事にもタイミングが大事です。提案を出す潮時を考えないと<損>をします。
 上手な提案者はみんなの考えがその一点に向かって集まってきたときに有効なヒットを飛ばします。


 モニター会議には慣れていても対面会議に不慣れだからと並び大名では潜在司会者としての役割(権利・義務)を果たしているとは言えません。TPOを勘案し「批判恐れず体当たり」の精神で発言するよう頑張ってください。
 では、良い週末を。ありがとうございました。



❒ 社員研修講師『人材教育研究所』(「過去と未来は『鉄の扉』。変えられる未来に
向かって挑戦しよう ‼」 


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