『管理者研修』 (375) 「権限でリードするだけでなく 黙って示そう無言の力『示範』」
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寺子屋ラッキー
こんにちは。『能力開発とは何か?』について、あなたはどのように意味づけておいででしょうか。
ときに、部下の中には自身の隠れた能力について<消極的・否定的>な考え方をしている社員がおいでだとしても不思議ではありません。しかし、これは根拠の無い考え方です。そこで考えたいことは、管理者のOJTとして部下に<積極的・肯定的>な考え方を植え付け自信をもたせることが期待されます。
技術革新に拍車がかかり、生成AIが技術開発され大きく寄与し実用化されている現在です。人事業務へも徐々に導入が図られているご時世とは言え、私たちの頭の働きは数え切れないほどの内容があります。
例えば、判断、決断、分析、批判、推理、検討、計算、記憶、創造などの働き(力)がそれです。
AIがどの程度代替できるかのその開発状況の詳細は知りません。それでもあなたが就職先を現在の会社に決めたプロセスを考えてみて下さい。日本の法人企業180万社からAIがピックアップして個々人に斡旋するなどはとても考えられないことです。あなたの『努力』に加え<運>が大きく左右したとは言え、最終的には『創造力』などの脳の働きが相乗効果を発揮して入社したはずです。
頭の働きを司っている大脳皮質の神経細胞(ニューロン)は日本の大脳生理学の権威者東大名誉教授時実利彦博士当時から140億あるといわれている。成人になると1日10万個ずつ死滅するそうだが氷山の一角ともいえる。認知症との相関関係は知らないが寿命が80~100歳では、70~75歳位までは概して問題が少ないように思える。
ニューロンの中で使用されているのは、せいぜい7~10%前後ともいわれている。こうした<潜在能力>を持っているのが、我々人間なのです。このことを部下に対しても、入社当時の業務遂行能力と現在のそれとを本人に<比較>させることで、潜在能力が開発され顕在能力になっている『事実』を理解・納得させてほしいものです。
でも、どうなのでしょう? 人間の心は弱いものです。自分が責任を果たせなかったり、あるいはまた何かで失敗したりした時などは、そのことを中々素直には認めたがらないものです。
それを認めるということは、自分の能力の低さを認めることにもなりプライドからして耐えられないからでしょう。そうした自分の本当の気持ちをごまかすことで感情を静めるあるいは安定させるため「合理化」することがあります。『自己啓発』が出来ないことについても同じです。
例えば、育児・介護など「家庭的事情」があれば別でしょう。しかし、時間がない。お金がない。指導者がいない。そんなことをやっても無駄だ、など色々なマイナス要因を並べ立てる部下は、「否定的観念」の持ち主です。それが<真の理由>であることは少ないものです。
こうしたマイナス観念をプラスに転換するよう、管理者は部下に分からせ自信を持たせて頂きたいと考えます。
ですから、管理者は何よりも、ある時は実際には強制されたとしても、ご自身が自己向上の意欲で<創意・工夫>し努力した結果、会社の負託に応え現在のポストに登用された『事実』を思い起こして下さい。管理者に起用された「成功体験」が裏付けとなり、部下に自己啓発を奨励することができると考えます。
そうしたことから努力次第では潜在能力を顕在化できる事実を、管理者自身の経験から部下に対して〝自慢話〟とならないようよく理解・納得させてほしいものです。
以上を「啓発援助」といい、立派な『部下指導法』です。そのためには、部下に自己啓発を奨める管理者は何よりもご自身がそういう姿勢を〝今後とも〟持ち続けることが肝要でしょう。これを業務への取組み姿勢を含め『示範』といいます。
プライム市場企業であってもパソコン技術に疎く、CMと異なり業務改善アプリを使いこなせる管理者は少ないと思えます。業務が高度専門化している現在パソコン関連業務は部下に任せても、仕事が求める条件と部下の能力を含む条件を考慮して「仕事を与える」管理者にとっての<OJT>は、役職手当の多寡にかかわらず本来業務です。グータラ上司には期待できないことです。
殊に当面はあなたご自身の『後継者育成』の観点から対象となる部下への<自己啓発奨励・援助>は、自信を持って実施できると考えます。
『上司は部下の鏡』です。『部下は上司の背を育つ』。<示範(しはん)>の力で職場に影響力を発揮し部下へのリーダーシップを発揮していきたいものです。
では、管理者の皆さん、マネジメントでの成功をお祈りします。ありがとうございました。
❒ 管理者研修講師『人材教育研究所 』 (「部下をパートナーとして 職場目標を達成
しよう ‼」)
#マネジメント
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