『話し方研修』 (266) 「話の効果を上げるには <T・P・O>にも配慮しよう」
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寺子屋ラッキー
こんにちは。依頼・交渉事の場合だけでなく、職場でOJTとしての「注意」はその場その時を捉えて行うのが効果的ですが、『忠告』する場合も内容によっては<場作り>に気を配ることが必要でしょう。
ときに、昔から『襤褸(ボロ)をまとえど心は錦(にしき)』というが、ビジネス現場にどの程度通用するのでしょうか。
その点『馬子にも衣装 髪 かたち』と言われるように、<外面的態度>の一つである服装も含めた〝立場〟をわきまえて(身分相応)の「身だしなみ」の点検も必要なことです。
加えて話し手は話の効果を高めるために、優れた「演出家」でもなければなりません。ベテランのセールスパーソンは、ネクタイ一本の柄や色にも気を配る。相手の服装の好みを調べて相手に合わせることもある。セールスマンにはショーマンシップが必要だと説いた販売指導者のエルマンレターマンは次のように言っている。
「ショーマンシップはドラマである。記憶させるものである。アイデアそのものでなくアイデアを示すやり方である。同じアイデアでも、優れたショーマンシップの利点を付け加えることによって、それは興奮に満ちたものになる。ショーマンシップが無ければどんなに優れたアイデアでも死んでしまうであろう」
確かに、売り手は自分で台本を書き演技をし演出をする。そうしてお客を楽しませながら販売というショーをリードしていく。セールスマンはライターである。また、タレントでありプロドュサーの一人三役である。彼は筋書きを練り、作戦を立て演技を効果的に展開する。
それだけではありません。主婦が夕食の支度で天ぷらを揚げていて目が離せないかもしれない時間帯に、無遠慮に電話セールスをかけてくる人がいるが、ハッキリ申して下手ですネ。
交渉事の上手い人はゴールデンアワーを狙います。相手を見て絶好の時と場を選びタイムリーなインタビュウーを行う。
話しを売り込むためにも、最も有効な条件をつくる。効果を消すようなマイナスの条件を消してプラスの条件に切り替えていくのが演出の腕前。背景に滑稽な漫画を描き、喜劇に相応しい舞台をこしらえておいて名優に、「サーッ泣かせる悲劇をやってくれ!」といっても無理でしょう。
葬式というものは、普通いとも厳粛に執り行われるべきものです。と同様に、おしゃれのコツはTPOにある。つまり、<時・場所・状況>によって服装を換えることだといわれている。これも一種の演出です。
プロポーズをする場合でも、電車の行き交うガード下より夜空に星のまたたく公園のベンチで愛の告白をした方がムードが上がり効果があるというものです。
説得・交渉の場合も同じです。環境や場面の条件を考えに入れ、その話し合いに相応しい雰囲気を作り上げ、こちらの話しを聞きやすく受け入れやすくする。これを「場づくり」とよんでいます。
話には目的があります。その効果を上げるには、場づくりをはじめとする<T・P・O>にもできれば配慮する余裕を持ちたいものです。
では、今週もお疲れ様でした。大型連休を視野に入れて良い週末をお過ごしください。ありがとうございました。
❒ 話し方研修講師『人材教育研究所』 (「過去と未来は『鉄の扉』。変えられる未来に
向かって挑戦しよう ‼」)
#マネジメント
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