『社員教育』 (70) 「労働環境が改革推進されるご時世でも GIVE&GIVE を求めるのは虫のいい話」
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こんにちには。前にも申し上げた通り人には「認識欲求」があり<本能>とも言えます。 いつでしたか犯罪者が手錠をかけられ建物から出てきた時、「俺の名前は明日の朝刊に載るよな?」と確かめているのを、戦前アメリカのギャングボスの話だけでなく日本のテレビでも見たことがあります。犯罪行為は忘れたものの、認識欲求の表れとしての名前(自尊語)の重要性をそのシーンを見て改めて知らされた記憶だけが印象深く残っています。
普通人は、誰でも自分が一番可愛いものです。ですからその可愛い自分のプライドを高めてくれる人がいればその相手にも好意を持つのが感情の動物である人間です。反対にプライドを傷つける相手に対しては敵意を抱くのはこれまた当然のことです。
つまり自分を重要な存在だと認めそのように扱ってくれるか、それとも軽くみてプライドを傷つけられるか、ということです。この点あなたはいかがでしょう?
上司や幹部から「君は我が社にとっていなくては困る大事な社員だよ」という態度をとられるのと、「君は今の我が社ではいてもいなくてもどちらでもいいんだよ」と露骨に言葉には出さなくてもそうした態度をとられるのとでは、どちらがプライドを満足させられますか。あるいはどちらの態度をとられた時に<働く意欲>が沸いてくるでしょう。
これは改めて聞くまでもないことです。ですからあなたも他の人に対して、「あなたの仕事への取組み姿勢には感心しています。あなたは当社にとって余人をもって代えがたい人です」という気持ちを、相手に言葉や態度で伝えるようにすることです。
何かチョットしたことでも好意を示されたら、「ありがとうございます」と言葉にして出すことです。そうしたことを言動で示さないということは、相手の好意を無視し軽視しているとも誤解を与えかねません。そのような場合、よく「あっ、どうも」という人がいます。
これは語彙力が不足しているとは言え、やはり相手を軽く見ている印象を与えることになりかねません。「どうもがどうしたのか?」と、聞きたくもなります。言葉に税金がかかるわけではありません。
昔から『実るほど頭が下がる稲穂かな』というように信頼し感謝し期待する言葉をいくら使っても自分が損をする訳でもなければ、自分の価値を下げることでもありません。出し惜しみをしないでどんどん使うようにして下さい。
世の中は面白いものです。好ましい『人間関係』は与える者と受け取る者とのバランスの上に成り立っています。これを「ギブ・アンド・テイク」の法則といいます。こちらが挨拶をすれば、相手からも挨拶のお返しがあるものです。こちらが知らん顔をしていれば相手も同じような態度をとりやすいものです。
ですから相手の存在を認めれば、こちらも相手から認められ、お互いに満足できるのです。相手を軽く見たり、無視したりしていて、自分だけは認められ重んじられたいと思うのは大変虫のいい話です。
「職場の人間関係」は古くて新しい問題です。どうかあなたは職場の上司だけでなく先輩・同僚・後輩には、先ずは気持ちの良い「先手の挨拶」を交わしてほしいものです。そうすればあなたが一日の大半を過ごす会社では、仕事は厳しくても困った時には相談し合える『コミュニケーション』の良い職場生活を送ることができるでしょう。
ただ、労働環境が改革推進されている現在では、そこまで気を遣う必要性のないご時世かもしれません。
では、またです。ありがとうございました。
❒ 社員教育講師『人材教育研究所』 (「過去と未来は『鉄の扉』。変えられる未来に向かって挑戦しよう ‼」)