社員教育『期待される管理者』

皆さんこんにちは!『寺子屋ラッキー』と申します。職場生活で多少なりともお役に立つと思える事柄を、人を中心に申し上げていきます。よろしければお付き合いください。

『話し方教育』 (70) 「説得・交渉を有利に導くためには 身だしなみにも気を配ろう」

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 こんにちは。これまで『言葉は話の全てではない』および『視覚は聴覚に勝る』ということで「外面的態度」について申し上げてきました。


 昔から『襤褸(ボロ)をまとえど心は錦(にしき)』というが、ビジネス現場にどの程度通用するのでしょうか。
 その点『馬子にも衣装 髪 かたち』と言われるように、外面的態度の一つである服装も含めた〝立場〟をわきまえての「身だしなみ」の点検も必要なことです。


 かつてアメリカの大統領アイゼンハワーは、テレビで演説するとき舞台俳優を演出顧問にして細かな注意と指導を受けたそうです。
 1960年の選挙で若くてハンサムな故ケネディに負けたあの眉毛が太く目がくぼみ鼻の反り返った男ニクソン大統領は、その後新しい姿でニュース番組に現れた。星条旗の赤い縞を背景に、ブルーグレーの背広、真っ白なワイシャツ、黒と象牙色の千鳥格子のネクタイという服装でイメージチェンジを図った。彼は後に失脚したが、60年選挙の当時を振り返り次のように言っている。


 「私が選挙に負けたのは、余りにもしゃべることの内容に時間をかけ、余りにも見かけに時間をかけなかったことだ」と。


 話し手は話の効果を高めるために、優れた「演出家」でもなければなりません。ベテランのセールスパーソンは、ネクタイ一本の柄や色にも気を配る。相手の服装の好みを調べて相手に合わせることもある。セールスマンにはショーマンシップが必要だと説いた販売指導者のエルマンレターマンは次のように言っている。


 「ショーマンシップはドラマである。記憶させるものである。アイデアそのものでなくアイデアを示すやり方である。同じアイデアでも、優れたショーマンシップの利点を付け加えることによって、それは興奮に満ちたものになる。ショーマンシップが無ければどんなに優れたアイデアでも死んでしまうであろう」


 確かに、売り手は自分で台本を書き演技をし演出をする。そうしてお客を楽しませながら販売というショーをリードしていく。セールスマンはライターである。また、タレントでありプロドュサーの一人三役である。彼は筋書きを練り、作戦を立て演技を効果的に展開する。


 その点、主婦が夕食の支度で天ぷらを揚げていて目が離せないかもしれない時間帯に、無遠慮に電話セールスをかけてくる人がいるが、ハッキリ申して下手ですネ。
 交渉事の上手い人はゴールデンアワーを狙います。相手を見て絶好の時と場を選びタイムリーなインタビュウーを行う。


 話しを売り込むためにも、最も有効な条件をつくる。効果を消すようなマイナスの条件を消してプラスの条件に切り替えていくのが演出の腕前。背景に滑稽な漫画を描き、喜劇に相応しい舞台をこしらえておいて名優に、「サーッ泣かせる悲劇をやってくれ!」といっても無理でしょう。


 葬式というものは、普通いとも厳粛に執り行われるべきものです。と同様に、おしゃれのコツはTPOにある。つまり、時・場所・状況によって服装を換えることだといわれている。これも一種の演出です。


 対談の環境や場面の条件を考えに入れその対談に相応しい雰囲気を作り上げ、こちらの話しを聞きやすく受け入れやすくする。これを「場づくり」とよんでいます。
 プロポーズをする場合でも、電車の行き交うガード下より夜空に星のまたたく公園のベンチで愛の告白をした方がムードが上がり効果があるというものです。


 依頼・交渉事の場合だけでなく、職場でOJTとしての「注意」はその場その時を捉えて行うのが効果的だが、『忠告』する場合は内容によって〝場作り〟に気を配ることが必要でしょう。
 

 今週もお疲れ様でした。では、また来週お越し下さい。ありがとうございました。



❒ 話し方教育講師『人材教育研究所』 (「過去と未来は『鉄の扉』。変えられる未来に向かって挑戦しよう ‼」)