『管理者教育』 (146) 「褒めるのは 叱ることより難しい」 (その2)
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今晩は。色々気付かされたパラリンピック閉会式を前に更新します。
第三は、部分を褒めること。
全体を褒めないで、特定の部分を褒めることです。女性に対して「あなたはいつ見ても美
人ですね」というのも空々しい。そのためか照れ症が国民性の日本人男性には期待できないが、外国映画のラブシーンには「あなたの爪は桜貝のようだ。あなたの瞳の中には星が輝いている」などといった台詞が盛んに飛び出す。毎朝ご主人に「I love You」を求める欧米の女性は、褒め言葉に弱いのかもしれません。
第四は、最大級の褒め言葉を使わないこと。
「そんなに言ったら嘘になる」というように誇張された最大級の言葉を使うと、相手は却って馬鹿にされたような気がする。最大級の人間がざらにいるわけがない。かといって、
平凡なことばかりいっても嫌われる。相手は、社交辞令としか受け取らない。時には「つけあがらせる」ことにもなりかねない。
ロシアの文豪チエホフが、ゴーリキの作品を褒めをた中に上手いことをいっている。
「私はそれを書いたのが私でなかったことに、強い嫉妬を感じました」
しかし、よほど褒め言葉に気をつけないと、人格者の意味で「あの人はいい人だ」とこ
ちらは褒めたつもりで使っても、「あの人はお人好しだ」と誤解を与えることにもなりかねない。
第五は、口でけなして心で褒めること。
これは、直接には褒めないことです。けなしているようでいて実は褒めているというチョット高度なテクニックになります。前にも申し上げた通り、言っている言葉は肯定でも心の在り方が否定では〝皮肉〟と受け取られる。
反面、言っている言葉は否定でも心の持ち方は肯定的ということがある。「否定の肯定」の応用です。
例えば立て込んでいるラーメン屋でイライラした客が「おぃオィ、何やってんだい。一体いつまで待たせんだよー。こちとら急いでんだ。俺はナここのラーメンは高けーけど旨いからこうしてわざわざ来てんだぞ」と、寂しいかな三密回避のご時世では想像すらできなくなったかつての活気のあった光景が懐かしく思い出されます。
話を戻してそのためには普段から部下の仕事ぶりを観察し「性格」も加味した褒め言葉を部下ごとに仕分けしておき、気の利いた言い回しを工夫することが大切です。
つまり、褒め言葉らしくない褒め言葉でストレートに真正面からいかずに、相手の意表
をつく新鮮な褒め言葉をあなたの経験に照らして研究なさって下さい。
因みに、職場で部下へ<注意・忠告>する場合に褒め言葉を併用する際は「後(あと)褒め」より「先(さき)褒め」をお勧めします。先ずは部下の受け入れ態勢(心の構え)を作っておいてから指摘(注意・忠告)した上で激励・期待の言葉を添えて終えることです。
これは「話し方教室」でスピーチ実習後に講師がコメント(実習批評)する場合のテクニックです。
『部下指導・育成』に当たる管理者は、オンライン職場でも〝タイミング〟を捉え適切な「褒め言葉」で部下・後輩の〝モラールアップ〟を図り、<心の通う職場づくり>にこの先も配慮なさって下さい。
でも、どうなんでしょう? コロナ禍で大学生もオンライン授業を余儀なくされている現在、教え方のプロである教諭の方々は、来年社会へ巣立つ予定の生徒に<褒められ方・叱責(注意・忠告)の受け方>をどのように指導しているのでしょう。
このことは<脱ゆとり教育>の現在、学校への期待水準としては高く、教諭は学習指導要領通り授業を進めるのが第一であり生活指導に当たる時間的余裕が少ないように見受けます。むしろ家庭教育の範疇であると考えます。
もしも可愛いい我が子の躾教育ができない親であるならば親の責任放棄として再考の余地があるように思えます。
仮に来年度フレッシュパーソンを受け入れ予定となる上司・先輩のあなたはどのようにお考えになりますか?
では、明日からもコロナ感染に注意するだけでなく精神面の健康維持も含め『健康管理』に留意して上半期末決算が上方修正されるようお励み下さい。ありがとうございました。
『犬も褒めれば木に登る 猿・雉も𠮟りつければ地に落ちる』(桃太郎)
❒ 管理者教育講師『人材教育研究所』 (過去と未来は「鉄の扉」。変えられる未来に向かって挑戦しよう‼)