『社員研修』 (172) 「上司への報告は 良くも悪くも 事実に基づき知らせよう」 ※ 一部加筆再投稿
【2021年02月20日 投稿分】
ID:8559fx
寺子屋ラッキー
世の中で「私は嘘をついたことがありません」というほどの嘘はないでしょう。その点お釈迦様は『嘘も方便』と言って許容している。私生活における配偶者同士では、言い訳を含む「嘘」が夫婦円満関係の維持には必要なものでしょう。
その点、職場で上司への報告あるいは情報提供は、事実に基づき知らせることを誰しもが知っている。しかし、内容によっては<自己防衛規制>が働くこともあるため、生きたビジネス現場では〝わかっちゃいるけど〟皆無にすることは実際にはできないことがあるものです。それは部下の報告能力をはじめとする何らかの<要因>があるはずであり、そこに手を打たない限りいつまで経っても改善することは難しいでしょう。
かつて出身大学の先輩である安岡正篤先生の弟子だったと聞いたことのある経済同友会の代表幹事を歴任した経営者の会長室へある日のこと、当時著名な経営評論家が訪問したことがあった。ひとしきり話が弾んで辞去するため茶をすすり腰を上げた。テーブルを挟んで座っていた会長も立ち上がりながら言った。
「お帰りですか? いつも貴重なご意見をお聞かせいただきましてお礼申します。あなた
のような社外の方の目で、大所高所からの忌憚のないご意見を伺わせていただきますと、
私どもの企業経営の参考になります。
お恥ずかしいことですが、その点うちの者は真面目ではありますが、無論の事全てとは
申しません がとかく耳障りのいいことしか言ってこないきらいがあるものですから大変
参考になりました。かく申す私にも問題があるのでしょうが、人を使うことは難しいもの
です。
どうかまたお越しいただき、識見あるお話を承りたいと存じます。今日はお忙しい中
をお運び頂きありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします」
といった話が残っている。
ことほど左様に企業規模が大きくなるにつれ、上級階層への報告はいつしか<付加・省略・歪曲・変形>され「正しい報告」がなされるのは、悪意はなくても中々難しいようです。前に報告の仕方では次の通り申し上げたことがあります。
「結論(結果)を先に 経過(経緯)・理由は後で 意見は聞かれ(求められ)たらすること」が〝原則〟ですが、実際には用件だけでなく上司の好みもあり報告の順序は一概には言えません。
とにかくビジネス現場では上司がマネジメントを「ファクトコントロール」で行う観点から、作文をしたり数字を舐めたりするなどの脚色をせずに『正しい報告』が肝要なことです。
職場リーダーがマネジメントサイクルをキチンと回し業務のスパイラルアップを図るためには「正しい報告」でないと、とりわけ『コンプライアンス重視』の時代、管理者は<判断力・決断力>を誤ることにもなりかねません。(以下管理者研修に続く)
❒ 社員研修講師『人材教育研究所』 (「部下をパートナーとして 職場目標を達成
しよう ‼」)
#マネジメント
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